ビジネスの変革に貢献するデジタル化・DXのため、
ユーザー部門が上流工程をリードできる存在に
(公開日:2026年7月9日)
今、多くの企業がDXによるビジネス変革に取り組んでいます。
よく言われるように、DXは単なる「デジタル化」ではなく、ビジネス戦略を実現するための変革そのものです。しかし、現場の実情はどうでしょうか。
DX戦略に基づいてシステム化を進める中で、要件の合意形成・品質確保・運用後の改善依頼など、継続的な課題が発生するケースは少なくありません。
なぜこうした課題が生じるのでしょうか。その背景には、ユーザー部門と開発側のコミュニケーションロスや要件定義の進め方により、ビジネス要件の意図が十分に共有されにくい構造があります。そのため、ユーザー部門が要件定義の重要性と方法を理解し、主体的に関与する体制づくりが重要になります。
また、多くの日本企業では、社内のIT人材が限られているにも関わらず、IT部門に集中している傾向があります。真にビジネス変革や業務効率化につながるデジタル化を進めるには、IT部門任せにせず、ユーザー部門が積極的に関与することが重要です。
本記事ではこうした背景を踏まえ、ユーザー部門が上流工程で果たすべき役割と、必要な知識・スキルを整理します。また具体的な事例として、三井住友信託銀行株式会社様の取り組みをご紹介します。
お客様概要
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この事例のポイント
課題と背景
- 多くの企業では、ITを活用した業務改善やDX推進に積極的に取り組んでいます。
その中で成果を左右するのが、上流工程(IT企画・要件定義・外部設計)におけるビジネス要件の合意形成と、IT部門との相互理解の深さです。
- 実際、システム開発における外部パートナーとの役割分担や連携の進め方には、改善の余地が残るケースも多く見られます。
ビジネス要件を技術仕様に正確に変換するためには、ユーザー部門とIT部門がより緊密に協働し、上流段階から相互理解を深めることが欠かせません。
- こうした課題に対応するため、トレノケートでは、三井住友信託銀行株式会社様に対し、ユーザー部門が上流工程を主体的にリードできる体制づくりをご支援しています。その一環として、要件定義の重要性や方法を理解し、実践できる人材の育成を目的に、ユーザー部門向けの研修をご提供しました。
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上流工程とは
システム開発において、要件定義や外部設計(仕様策定)のプロセスは、ユーザー部門・IT部門間で認識のずれを防ぎ、システム開発を円滑に進めるために極めて重要な工程です。
この工程を主導するのは、ユーザー部門、IT部門のどちらの場合もあり、また、途中から共同で行う場合など様々です。いずれのアプローチをとった場合でも、最終的にはユーザー自身が自分たちのビジネスニーズをIT部門に正しく伝え、それが確実に反映されているかを確認する責任があります。そのため、ユーザー部門が要件定義の方法や重要性を理解し、主体的に取り組むことが不可欠です。
また、システム開発を外部のベンダーに委託する際には、まず適切なベンダーを選定するプロセスが必要です。自社の開発目的に最も適したベンダーを見極めて委託することは、システム開発成功への第一歩となります。この過程にユーザー部門が参画する際には、ベンダーに対する「RFI(情報提供依頼書)」、「RFP(提案依頼書)」が力を発揮します。
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システム開発に関わる
ユーザー部門が身につけるべき知識とは
三井住友信託銀行株式会社様のユーザー部門が上流工程をリードするための育成施策の一環として、トレノケートでは以下のコースを開発・提供いたしました。
ユーザー部門のための要件定義 ~開発者にビジネス要件を上手に伝える技術~
| 基礎編 | 実践編 |
| 目的 |
基本知識習得 |
ドキュメント制作技法の確認・実践 |
擬似体験によるさらなる定着 |
| 形式 |
E-learning |
集合(オンライン) |
集合(オンライン) |
| 目安期間 |
合計約7時間~10時間 |
2日コース/3日コース (内容は両コース同一です) |
前半3日間 + 後半1日間 |
| 内容 |
用語理解や体系化された知識を自分のペースで学習。単元あたり15~30分程度で、隙間時間に学習を進められます。ここで学習した内容は、後続のワークショップや復習にも活用されます。 |
シナリオベースのワークショップを通じて、RFP制作や、システム開発の上流工程で作成するドキュメント類を作り上げていきます。用意されたテンプレートやワークシートをベースに作業を進めていくことで、初めての方でも分かりやすく、RFP作成やモデリング、要件定義、仕様策定を体験します。 |
グループで取り組む擬似的なITプロジェクトを通じて、基礎編で得た知識とドキュメント作成技法を実践的に活用して理解を深めます。 Webアプリケーション開発を想定した擬似RFP(提案依頼書)を作成したり、システム開発の各工程で必要な成果物を作成していきます。 |
本研修を通じて、以下のスキルや知識を習得することで、システム開発を依頼する際に、「こうしたい!」という要望をIT部門へ正確に伝えられるようになります。さらに、システム開発を伴う業務改善やサービス開発を円滑に推進できるようになります。
- 開発の流れが理解でき、自身がどこに関与するかを把握できる
- 要件定義の進め方と注力すべきポイントが理解できる
- 自分たちのビジネス要件を正しくIT部門に伝えられるようになる
- IT部門が作成した要求仕様のレビューができる
- 適切にRFI (情報提供依頼書)、RFP (提案依頼書) が書けるようになる
- eラーニングと集合研修の併用メリット
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ブレンデッド・ラーニング形式のメリット
ユーザー部門のための要件定義は、参加者が同じ時間に集まり、講師が指導をしていく集合研修と、自身で学習を進めていくeラーニングを組み合わせたブレンデッド・ラーニングの形式となっています。
この形式のメリットは、以下の3点です。
① 前提知識の理解度を揃える
社員の中でも、システム開発に関する知識の理解度は異なります。そのため、まずeラーニングで基礎的な知識を学習することで、集合研修開始時のレベル感を揃えることができます。
② 集合研修で実践的な演習に集中できる
基礎知識にあたる部分を事前に学習しておくことで、集合研修では疑似体験やグループワークなど、実践的な経験を得るための演習に集中することができます。
参考:反転学習
③ 業務時間の圧迫を低減できる
基礎知識の学習は自学自習とすることで、集合研修として必要な時間の削減につながります。そのため、業務から長期間離れることなくリスキリングを実現可能です。
こうした考え方のもと、トレノケートでは、三井住友信託銀行株式会社様に対し、単発的な研修導入にとどまらず、組織や受講者の変化に合わせた研修内容・形式の継続的な見直しをご支援してきました。
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研修内容のご紹介
トレノケートは、三井住友信託銀行株式会社様に向けて2023年から継続的に「ユーザー部門のための要件定義 ~開発者にビジネス要件を上手に伝える技術~」を実施してきました。
以下では、2023年から2025年にかけての取り組み内容をご紹介します。
▲ ユーザー部門向け要件定義研修における取り組みの変遷
2023年 ~基盤づくりの年~
- 基礎編:eラーニング + 2日間研修
- 実践編:前半3日間研修 + 後半1日間研修
初年は、ユーザー部門に要件定義の基礎知識を習得いただくことを最優先に、トレノケートにて終日研修を中心とした構成で提供を開始しました。
2024年 ~多様な働き方への対応~
- 基礎編:eラーニング + 2日間研修、eラーニング + 3日間研修
- 実践編:前半3日間研修 + 後半1日間研修
【課題】
基礎編は全社員に対して受講を促していたものの、2023年のコースは基礎編を2日間研修のみで開催しており、各日程が終日研修のため、時短勤務者の受講が困難。
【対応】
研修時間を短縮し、3日間の新コースを新設。時短勤務者など、終日参加が難しい方の受講を促進。
2025年 ~スケーラビリティの実現~
- 基礎編:eラーニング + 確認テスト + 事後課題
- 実践編:前半3日間研修 + 後半1日間研修
【課題】
集合研修のみでは育成人数に限界があり、対象者の拡大が難しい。
【対応】
基礎編をオンデマンド化し、受講対象者の拡大を計画。実践編はワーク中心の実践的なスキル習得機会として現行の形式を維持。
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本研修を受講した方々の声(受講者の声)
以下は、「ユーザー部門のための要件定義 ~開発者にビジネス要件を上手に伝える技術~」を受講した方々から寄せられた声の一例です。特定の組織や年度に限定したものではなく、本研修の学習内容や進め方に対する一般的な評価としてご紹介します。
システム開発の一連の流れや注意点について学ぶことができました。システム構築をするには、いかに自分たちが今の業務の問題点や改善点を具体的に把握できているかが重要だと感じました。要件定義で抜け漏れがあると、完成したシステムが思い通りに動作せず、問題を引き起こしてしまうということも理解しました。ベンダー側での作業も踏まえた全体の流れ・全体像を把握できてよかったです。
要件定義に結び付けるための現状業務の理解と、課題・方針に照らした方向性を具体的に決めていくプロセスは、システム開発だけではなく、通常の業務でも役立つ思考法・プロセスと感じました。物事の重要度をランク付けなどについても、どのような基準にしたら分類がしやすくなるかを学ぶことができました。
研修コースの詳細を見る
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一社向け研修の特徴
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