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株式会社デンソー

新たな挑戦を支援するための「キャリア研修」

(取材日:2022年7月14日)


株式会社デンソー ハードウェア技術者からソフトウェア技術者への転進による競争力強化を狙う

ハードウェア技術者からソフトウェア技術者への転進による競争力強化を狙う
全社員が主体的にキャリアを構築。積極的に組織へ貢献してもらうために

デンソーグループは198社のグループ会社から構成されており、連結の売上収益は5兆円を超えます。今回取材させていただいた株式会社デンソーは、創業以来73年の歴史を誇る自動車関連製品の製造に加え、生活関連機器分野、産業機器分野など幅広い事業を展開しています。
トレノケート株式会社は、デンソー様が実施する研修プログラムの一部を担当させていただきました。研修に対する想いや制度について伺いました。

お客様 会社概要

商号:株式会社デンソー
業務内容: 自動車関連、生活関連機器、産業機器など
URL:https://www.denso.com/jp/
資本金: 1,875億円 (2022年3月31日現在)
従業員数: 単独45,152名 (2022年3月31日現在)




今回お話を伺った皆様

広瀬智様

ソフトキャリア支援室
室長
広瀬 智 様

増子敬様

ソフトキャリア支援室
担当課長
増子 敬 様



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ソフトウェアに精通した技術者を増やしたい

-研修実施のきっかけはどのようなものでしたか?

広瀬様:
これまでの車載組込みのソフトだけではなく、世の中の流れに沿ってインフラとつながるサービスを展開していくには、ソフトウェアに精通した技術者を増やす必要がありました。また、成熟領域と呼ばれる、メカ、エレクトロニクス領域からソフトウェア領域へリスキリングすることで幅広いスキルを獲得し、より活躍してもらいたいと考えています。

-研修内容を教えてください

広瀬様:
キャリアイノベーションプログラムという大きな枠組みの中のひとつとして、リカレントプログラムを提供しています(下図)。そのプログラムの一環として、研修では、メカ、エレクトロニクスなどのハードウェア技術者が、ソフトウェア技術者へとキャリア転進するためにソフトウェアの基礎技術を学びます。
そのソフトウェア研修を行う前段階として、今後のキャリアを自ら考えてもらうきっかけにしようと「キャリア研修」を実施しました。
「キャリア研修」では、過去のキャリアにおける転機の振り返り、自身が大切にしている価値観・信念について言語化したうえで、10年後にありたい自分の姿について考え、そのためにできることを明確にしていきます。
参考:キャリアイノベーションプログラム


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大きな転進だからこそ、キャリアを考えてほしい

-ソフトウェアの技術研修に加えて、「キャリア研修」を実施したのはなぜでしょうか?

インタビュー写真
広瀬様:
対象者の多くは、30~50代、部署も背景もさまざまな方々です。今の学生は、学生時代からキャリアについて考える機会があります。一方で、対象の社員はそういった機会がなかった世代。社会人になってからも、自分のキャリアを明確にした上で、モチベーション高く「ソフトウェア技術を学ぶ」ことに取り組んでもらいたいと考えています。
ハードウェア技術者からソフトウェア技術者への転進という大きな「キャリアの転換期」を迎えるタイミングだからこそ、改めてキャリアを考える機会を絶対に設けたいと考えていました。研修で、すぐに何かが変わるわけではありませんが、キャリアを短期ではなく長期で捉えてもらえたら、と思って開催しています。単に「ソフトウェア技術だけ学べばよい」のではなく、今後のキャリアを自ら考え、モチベーション高く取り組んでもらいたいと考えています。

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上司へ将来の希望キャリアを伝えやすくなった社員も

-研修受講後、現場に配属した社員の皆さんはいかがでしたか?

増子様:
研修中弱音を吐いていた人も、徐々にスキルアップして活躍し始めていると聞いています。50代管理者の一人は、これまでの経験と研修中に身につけたスキルを活かすことができ、配属先からも感謝されています。
キャリア研修時に作成した「キャリアワークシート」は、異動先の新しい上長との面談でも活用し、将来のキャリアの方向性を伝える手段として非常に役に立っています。

-リスキリング後、異動した先のマネージャーは、どのように転進者を受け入れたのでしょうか?

インタビュー写真
増子様:
受け入れ側のマネージャーによっては、キャリア転進プログラムの理解度にばらつきがあり、「キャリアワークシート」などを使った受け入れのオリエンテーションをスムーズに行えていなかったケースもあるようです。
そこで、この取り組みについての説明資料を人事部と連名で各職場のマネージャーに出しました。キャリア転進プログラムの意図が浸透するよう工夫したことで、結果的には、先ほどお話したような、現場から感謝される社員の例も耳に入るようになりました。

-キャリアシフトを進めようとしている企業に対し、アドバイスはありますか?

増子様:
"研修をやるだけ"、"アンケートをとるだけ"、など右から左に流すだけでは、人は絶対についてきません。「変わる」ことは不安を伴います。「不安」に寄り添い、丁寧なフォローができる運営事務局の存在が重要です。研修日報に書かれた意見に対しては、必ずフィードバックするよう心掛けました。
また、対象者は、職場からの推薦または自発的にチャレンジを希望した社員でした。本人の希望、モチベーションを最大限に尊重しつつ、要望に応えられない場合はその背景を丁寧に説明をするなど、信頼関係の構築に注力しました。

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研修への評価と今後の展開

-今後の展望を教えてください

広瀬様:
自分がやりたいことをやることがパフォーマンスを最大限発揮できるとはいえ、全員の希望を叶えることはどうしても難しく、「行きたかった部署に行けなかった」という社員が出てしまいます。そういった社員も含めて、全社員が前向きに自らのキャリア構築にチャレンジする仕組みを考え続けていきます。
広瀬様:
過去、グループ会社の株式会社デンソークリエイトにて、トレノケートの研修を採用して好評でした。その実績があったので、内容に関しては間違いがないだろうと思い、依頼しました。
決まったパッケージを提供して終わりではなく、講師の方が、より良くするための提案をその都度してくださったのが印象的です。例えば、同様のキャリア研修をすでに複数回行っているのですが、「受講者の考えを深めるには、対話の時間を増やしたほうが良い」とご提案くださいました。このように、「常に良い研修を提供していきたい」という思いで、一緒に伴走してくださった講師の方には本当に感謝しています。


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提供コース

『キャリア研修~キャリア転進プログラム参加者向け』

研修のポイント: ワークを通じて、自分を理解し、自分の「価値観」を言語化。将来モビリティ業界の最先端で広く活躍するために、今何をすべきか考えます。

内容 内容
1

キャリアとは何か

  • 「自分のライフラインチャートを作成する」
  • 「原点回帰」する
  • 偶発性を活かす~計画された偶発性理論~

4

キャリア自律における考え方

  • キャリア自律時代における「プロティアン・キャリア」
  • キャリア・レジリエンス
  • 10年後の会社と私、5年後、3年後の仕事と自分を考える

2

キャリアの転機

  • キャリアには「転機」がある
  • 「私の"転機"経験」

5

キャリア開発には、「能力開発」が含まれる

  • 「能力開発」の必要性
  • 人は経験から学ぶ
  • 今後起こりうる変化(自分の変化、周囲の変化)
  • 「ライフ・シフト」(無形資産)
  • そのために今、何をするか?

3

自分の仕事を支える「自分軸」を見つける

  • 自分の仕事を支える「キャリア・アンカー」の考え方
  • 「私の仕事における価値観」を言語化する
  • 「自分の軸(ミッション・ステートメント)」を考える


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講師の声

トレノケート田中淳子

人材教育シニアコンサルタント
産業カウンセラー
国家資格キャリアコンサルタント
田中淳子

最初は、新しい挑戦に対して、期待と不安を胸に研修に参加なさっている様子でした。 それぞれに、自動車への愛や将来への展望、自動車産業や自社について、ひとりひとりが思い描く素敵な未来像があり、自分たちの強みを生かして、業界や自社の未来をご自分たちで切り開く機会なのだと捉えられており、とても前向きな学びの場となりました。

ご自分のことを語り、他者のキャリアや想いに耳を傾け、自分にない発想や視点を取り入れようとなさっている様子に、キャリア転進を私も伴走している気持ちで毎回臨みました。 広瀬様、増子様が研修開始時にこの取り組みの意図やご受講者にとっての意義などをしっかりとお伝えになり、皆さまの新しいチャレンジを全力で支えようとしていることもひしひしと感じていました。 今後もより良い人材育成サービスをご提案、ご提供してまいります。 ぜひご期待ください。


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株式会社デンソーパンフレット

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