株式会社デンソークリエイト
株式会社デンソークリエイト様は、デンソーグループの「車載ソフトウェア開発の技術者集団」として、自動車のソフトウェア開発を支えられています。
また、これらを通し培ったノウハウを活かし、市販ソフトウェア製品の開発、販売まで行っています。
今回、人事・育成制度の改革に伴い、社員の意識を変える支援をトレノケートが行いました。
お客様 会社概要
- 商号:
- 株式会社デンソークリエイト
- 資本金:
- 9,500万円
- 業務内容:
-
車載ソフト開発の標準化
BSW(基盤ソフト)、プロセス、開発支援ツール
市販
TimeTracker FX(プロジェクト管理ツール)
Lightning Review(レビュー支援ツール)
書籍、教育
- 従業員数:
- 240名(2017年4月1日現在)
- URL:
- http://www.denso-create.jp/
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背景と課題
今回お話を伺ったのは
技術力を背景に新たな価値を生み出し、自ら提案して事業を展開していく企業像を掲げ、人材の意識改革に取り組みたい。
そんな強い思いでキャリア開発の支援に取り組んでいる株式会社デンソークリエイト様。
トレノケートの協力の下、キャリア開発支援の場を設けるに至った背景、そしてその後の効果について、同社技術リソーセス部部長の広瀬智氏とDCP室*室長の鈴木章三氏にお話をうかがいました。
*DCP室:会社改革推進の専任組織
技術リソーセス部
部長
広瀬 智 様
DCP室
室長
鈴木 章三 様
常に新しいものを提案できる会社で あり続けるために
- なぜ人材開発への取り組みを強化することになったのでしょうか。
- 鈴木様:
- 当社の役割は「高度なソフト技術でデンソーグループをリードする」ことです。その実現のためには、常に新しいことを提案し続ける必要があります。当然、全社員が会社の目標を理解し、長期的な視点で自らの仕事を考えていかなければなりません。与えられた仕事をただこなすのではなく、新しい価値を生み出し自ら提案していく力が欠かせません。
- 広瀬様:
- 従来は業務に当たるプロジェクトのメンバーは同じ組織に在籍していました。この体制では業務の範囲内でメンバーが育成されるため、その業務に最適化された人材になっていきます。これでは、ひとたび仕事内容が変わるとまったく通用しなくなる恐れがあります。次々に新しいことに取り組まなければならない時代に、いわば外の世界を知らない、機動力に欠けた人材ばかりになっては会社の目指す姿は実現できません。そこで人事制度や育成制度も含め、組織のあり方を大きく見直しました。
改革の全体像
キャリアパスの複線化
- そのためにどのような対策を講じたのでしょうか。
- 広瀬様:
- まずキャリアパスの複線化を打ち出しました。当社の社員はほとんどが技術者ですが、従来は上を目指そうと思えば管理職になるしか道がありませんでした。しかし、誰もが管理職を目指したいわけではなく、技術を極めたい人もいます。そこで、管理職に進んでいく道のほかに、技術を専門に磨いて自らを高めていく技術専門職の道もキャリアとして正式に用意し、どちらも同等の処遇としました。社員はどちらかを選び、それを会社として支援していきます。
- 鈴木様:
- 社員の間では選択肢が増えたこと自体は好意的に受け止められた一方、いったい何が変わるのかという不安感もありました。どちらか絞りきれないという声も聞こえてきました。これまで業務に取り組むチームと人材管理の組織は同じでしたが、今回の改革で業務上はプロジェクトチームに参加し、人材管理上は「アトリエ」と呼ばれる10人程度の組織に所属するという、一種のマトリクス的な形に変更しました。評価・育成はアトリエが担います。
- 広瀬様:
- プロジェクトチームが学校・勤務先だとしたら、アトリエは家のようなイメージです。アトリエのメンバーはそれぞれ仕事も年齢も違うため、違う分野の仕事の話を聞いて視野を広げることもできるし、アトリエの長であるアトリエリーダーに人生設計やキャリアづくりについて相談に乗ってもらうこともできます。
仕組みを活かすためには社員の動機づけと意識改革が必須
- 仕組みを大きく変えたことで、会社の目標に一歩近づきましたね。
- 広瀬様:
- ただ、その仕組みを生かすも殺すも人次第です。受け身体質では、せっかくの仕組みを活用できません。キャリアとは何かという基本や世の中の動きを知り、明日どうするかではなく、10年先のキャリアを描いていくための動機づけや意識改革が必要です。また、アトリエリーダーも指導力を身につける必要があります。そこでキャリアについて、考える機会が必要と判断したのです。
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選定の理由
キャリアを考えることの大切さが学べる場を
- 意識改革や動機づけは具体的にどのようなことに取り組んだのですか。
- 広瀬様:
- なぜ自分のキャリアを考えなければならないのかというところまでさかのぼって、納得してもらえる場が必要と考えました。
またアトリエリーダーには、部下を適切に指導できる自信やノウハウも必要でした。
世の中の変化や会社の方針を理解し、それが自らのキャリア設計とも密接につながっていることを意識できるように、キャリア開発支援講座と銘打って意識改革を後押しする場を設けることになりました。
入社以来の人生を振り返り、10年後のあるべき姿を考え、意識改革や動機づけにつながるような場をめざしました。
- 鈴木様:
- 最終的に当社のめざす姿に近づくような成果を出してもらうには、単に決まり切った研修をすればいいというわけにはいきません。
当社のニーズに沿って中身をカスタマイズできることが絶対条件でした。
また、全社員がまる1日仕事を止めるわけにはいかないため、内容を圧縮してなるべく短時間にまとめてもらう必要もありました。
内容と時間をきめ細かくカスタマイズできる点がポイント
- トレノケートを選んだ決め手は何ですか。
- 鈴木様:
- 当社のニーズに応じて、内容も時間もきめ細かくカスタマイズできる点は大きなポイントになりました。
また、これまでに他の研修もお願いしてきたこともあり、当社の事情をとてもよく理解してくれています。
こんなことをしたいと持ちかけると、すぐに事情を察して提案してくれるので意思疎通がしやすかったです。
- 広瀬様:
- 当社の事情をよく把握していて、めざす姿や社内のいろいろな取り組みについて理解してくれていた点は、大きな決め手になりました。
時間圧縮しながらも演習は手厚く
- 意識改革を円滑に進めるという観点から工夫した点はありますか。
- 広瀬様:
- 時間が限られていたため、中身が濃くなるよう配慮しました。アトリエリーダーも含めた全社員を40人ずつのクラスに分けて3.5時間のコースとしました。
アトリエリーダーの場合はさらに上司向けで5時間が上乗せされるので、計8.5時間です。演習をふんだんに取り入れ、議論をする中で気づきが得られるようにしました。
- 鈴木様:
- 時間を圧縮するために事前課題も取り入れました。
もちろん、効果を長期的に持続させるにはしっかりとした事後のフォローが必要になります。
そこで半年後にアトリエリーダー向けに実践後のフィードバック研修も用意しました。
(研修コースの概要は下部記載)
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研修の効果
自身のキャリア計画を肌身離さず持ち歩く社員も
- キャリア開発支援講座を実施してみて、お気付きになった点や印象に残ったことはありますか。
- 広瀬様:
- 前向きで和気あいあいとした雰囲気で、みんな活発に取り組んでいました。
アトリエリーダーの心にも響くだろうかと少し心配でしたが、大いに楽しんでもらえたようです。
キャリアについて考えることの大切さと難しさを改めて実感できました。
社員の中には、今回作成した自身のキャリア計画を肌身離さず持ち歩き、迷った時に見返す社員も現れました。
- 鈴木様:
- 当社の事情に精通した講師で、社員の動機づけがとても上手でした。
さまざまなキャリアの考え方が紹介されたので、参加した社員は、年齢や立場の違いを超えて、それぞれに何らかの気づきが得られたようでした。
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今後の展望
繰り返し意識させる場を作る
- 今後、どのような展望をお持ちですか。
- 鈴木様:
- このまま何もせずに放っておくと元に戻ってしまうため、毎月アトリエリーダーとメンバーの面談の場を新設し、繰り返し意識させることでキャリアを考える癖をつけてもらっています。
社員一人ひとりの希望と仕事の場をうまくマッチングできる仕組みを確立したいと思います。
- 広瀬様:
- 今後も社員の動機づけ、意識づけに力を入れていくうえで、基本になるのはやはりコミュニケーションです。
とことん話し合うしかありません。育成には時間がかかります。必ずやこの学びに効果があると信じてついてきてもらうことが大切です。
そのために、今後も時間を惜しまず、DCPサロン(社員との懇談会)や面談など社員との密なコミュニケーションを通じて、納得・理解してもらえるように努力を続けていきます。
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今回の事例で提供した研修コース
キャリア開発支援研修
実施期間:2017年3月〜9月
全社員向け研修コース 3.5時間 |
1. 世の中の動きを知る:これからの「働く環境」はどうなる? |
2. 自分を知る①:自分のキャリアの「コレマデ」を考える |
3. 自分を知る②:自分のキャリアの「コレカラ」を考える |
4. まとめとふりかえり |
研修アンケート結果(抜粋)
- 自分の将来について主体的に考えられるようになった
- 過去の経験を振り返りながら、自分の将来を考えるいい機会になった
上司向け 5時間 |
1. キャリア開発に関する基礎知識と部下のキャリア開発に関わる上司の役割 |
2. 部下のキャリア開発を支援するコーチング方法 |
3. コーチングの「5ステップモデル」の概要 |
4. 事例で考える部下のキャリア開発支援 |
5. まとめ |
- 部下を指導したり悩みを聞いたりする際の心構えが学べた
- 相手の考えを上手に引き出す方法が身についた
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