Microsoft Power Platform トレーニングの受講で
社内の業務効率化を推進
手作業や紙を自動化・データベース化し、社内のDXを推進
(公開日:2024年8月2日)
総合建設業の東亜建設工業株式会社様。1908年、鶴見川河口の海面約150万坪の埋立事業に取り掛かったことが始まりです。その後も発展を続け、1963年には海外事業部(現国際事業部)を新設し、1973年には建築部門にも進出。建築の様々な分野で成長を続けています。
創業以来、港湾土木を強みとしていらっしゃいますが、最近では冷凍・冷蔵倉庫の物流施設や、給食センター、斎場など、公共性が高く、時代のニーズに即した、様々な建築実績もあります。
お客様概要
会社名 : | 東亜建設工業株式会社 |
事業内容: | 総合建設業(主な事業:海上土木、陸上土木、浚渫・埋立、建築工事の請負、 土地の造成・販売、開発、建設コンサルタント)など |
資本金 : | 18,976,658,924円(2024年3月31日時点) |
従業員数: | 1,685名(2024年3月31日時点:単体) |
U R L : | https://www.toa-const.co.jp/ |
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今回お話をお伺いした方
東亜建設工業株式会社 経営企画本部 DX戦略技術部 部長 兼 DX企画課長の中野 亘様に、Microsoft Power Platformに関する人材育成事例のお話を伺いました。
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背景と課題
DXを推進する部門で、多岐にわたるミッションを担う
ー 東亜建設工業様が目指すDXのコンセプトと、DX戦略技術部のミッションについてお聞かせください。
中野様
当社の目指すDXの方針は、「デジタル技術を活用し、事業環境の変化に対応できる企業文化・風土への持続的な変革を行い、魅力あるワークスタイルの構築と技術力の向上を目指す。これにより、競争上の優勢を確保し、企業の発展と東亜で働く社員一人ひとりやステークホルダーの幸福度を向上させる」です。
DX推進を目的とした部署ができて3年目ですが、現在は「DX戦略技術部」へ名称変更し、より実践的・戦略的にDXに関わっていこうとしています。企業価値向上の取り組み、ITの基礎教育、業務効率化の対応、社内情報共有の推進、およびAI活用、新規事業など幅広いミッションを担っています。
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選定の理由
リテラシーの底上げから応用まで、幅広いラインアップがニーズとマッチ
ー どのようなきっかけで弊社に依頼いただきましたか。
中野様
展示会でIT教育ができる協力会社を探しており、高度な研修だけしか取り扱いしない企業がほとんどでしたが、トレノケートは基礎から応用まで幅広くラインアップを扱っていたところが決め手でした。私たちの本業は建設業なので、社内にITに特化した人がまだ少なく、基礎研修や全体の底上げも必要だったのです。
当時社内にはPower Platform関連のスキルを持つ人がいませんでした。そこで正しい知識のある人から教わりたいと考え、Microsoft 365やPower Platformの研修をトレノケートへ依頼しました。
ー 受講対象者はどのような方々でしたか?
中野様
一定以上のITスキルがある人でないと難しいと感じたため、こちら側から選抜形式にしました。その後自ら手を挙げる人も出てきて、最終的に24名が受講しました。受講者が各拠点に分散するようにも配慮しました。年齢や職種もバラバラで、30代から50代の人が多かったです。総務などのバックオフィスの人が多かったですが、設計部門の人などにも受講してもらいました。
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実施後の効果
研修実施後、アプリケーションを実際に作成し、業務を効率化
ー どのような効果を狙っていましたか?
中野様
最終的には自分でPower Platformでアプリを作れるようになることも目標のひとつでしたが、日常の業務で効率化、自動化できるものがないか洗い出しをしてほしいという意図もありました。自分の業務との紐づけが難しいという意見もあり、BPM入門(※BPM:業務プロセスの改善・管理手法)などの設計研修なども受講してもらいました。
ー ご受講後、業務への効果などはいかがでしょうか。
中野様
研修自体は、とても分かりやすい研修でした。ですが実際やってみるとプログラミング未経験の人にはなかなか難しいと思いました。受講後に約半数の人が実際にアプリケーションの作成を試みたようですが、通常業務が忙しくて完成まで時間を割くことができませんでした。そのためDX企画課でこれらのニーズを吸い上げて、何個か完成まで持っていきました。例えば手作業で大変だった下記のような業務を、効率化・自動化しました。完成後も継続してメンテナンスもしています。
- 勤務状況の報告:
毎日のTeamsでの報告を、Power Apps作成のアプリケーションで簡略化
- 健康診断のスケジュール調整・集計:
約400人分の予約・調整を、Power AppsとPower Automateで半自動化、集計
- ソフトウェアのライセンス管理:
600人分のID管理と、部署ごとのコスト配分をAutomateで自動振り分け
- 帳票のダウンロード:
毎日の経理関係のダウンロード業務をAutomateで業務開始前に帳票をサーバに自動保存
- 備品の貸し出し:
台帳に手書きしていたものをアプリケーションにしてペーパーレス化し、参照を簡単に
中野様
これらを全国に展開することで、今後も継続的に更なる社内の要望を吸い上げていきたいと考えています。
ITが苦手な人への教育手法については、オンライン講習のほか、マニュアルや動画での説明も試してみましたが、敬遠する人もいます。社員にオリジナルキャラクターでDXに関する4コマ漫画を描いてもらい、興味のきっかけにしてもらうなど、継続して様々な試みもしています。
東亜建設工業株式会社 経営企画本部 DX戦略技術部 部長 兼 DX企画課長の中野 亘様 ▲
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今後について
Microsoft Copilotの利活用にも挑戦
ー 今後の人材育成についてはどのようにお考えですか?
中野様
今話題の生成AIに関しては、Bing Chat EnterpriseのCopilotも全社員が使えるようになりました。Copilotは非常に簡単に使えますが、どのように活用するかがポイントになりますので、社内での利用例の蓄積を始めています。社内での反応も様々ですが、普及のための利活用の教育は継続していこうと考えております。
また建設業関連の資格では受講費用の助成制度がありますが、ITパスポート資格やMicrosoftの認定資格などには、受験費用などの助成がありませんでした。DX戦略技術部の働きかけでこれらのIT系の資格の一部助成金が認められました。このことをきっかけに、ますますITに関する興味が増えてITリテラシーが全社的に向上することが期待できます。
ー 研修の受講だけで終わらせず、業務改善まで実現できていることが、とても素晴らしいと思います。
貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。
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実施した研修プログラム
実施日 | 研修コース名 |
2022年7月27日 |
Microsoft 365 基礎(MS-900T01) |
2022年8月30日 |
【PDU対象】DXファーストステップ |
2022年10月11~14日 |
Microsoft 365 利活用研修 |
2023年7月4日 |
【PDU対象】速習、DX実現の基盤「BPM」入門 |
2023年7月25~26日 2023年8月22~23日 |
Power Platform による業務アプリ開発 |
2023年9月6~8日 |
Power Automate Desktop・Power Automate利活用研修 |
2023年9月27日 2023月11月9日 |
東亜建設工業様向け QA会 |
担当講師のご紹介
トレノケート株式会社 講師 Microsoft 認定トレーナー
目代 昌幸
SIerにて企業のITインフラ、特にMicrosoft 365を中心としたマイクロソフト技術の構築、導入後の利活用コンサルティングを長年に渡って経験。
2011年の Office 365 サービス開始直後から、業務以外での利用者同士の情報共有を目的として日本で最初に Office 365 ユーザーコミュニティを立ち上げ、現在も継続中。これらの活動を米マイクロソフトに認められ、2014年から Microsoft MVP for M365 Apps & Services として活動し続けている。
コンサルティング業務やコミュニティ活動の経験をより生かすため、2018年よりトレノケートに入社して講師として Microsoft 365、Power Apps のコースを担当。また講師としてだけでなく、トレノケート社内での Microsoft 365 活用促進のために、Teamsでのコミュニケーション環境整備や、Power Apps、Power Automateを使った業務改善にも貢献している。
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